初めての調理自習!!!!
それなのに、段取りや、気を付けるべきことがわからなーい!
小学校高学年・中高での家庭科や、料理クラブの担当になった!
しかし、調理実習をする上で、何から準備するべきかわからず、漠然と不安が募る・・・ということも多くあると思います。衛生面の注意点や、調理方法についてはいろいろなところに書いてあるけど、実際にどんな流れで調理実習を行えばよいのか、なかなかイメージできない!なんてことも。
そこで、今日は、少しでも調理実習が楽しみになるように!みずもな流・スムーズ調理実習をご紹介します。
調理実習の前に事前に準備すること
材料の注文
調理実習をする上で、まず心配になるのが、材料の調達かと思います。
班ごとに分担して持ってこさせたいけど、金額面の問題や、忘れ物があったときに心配やねん!
こうなってくると、材料は、教師側であらかじめ準備するのが一番手っ取り早いです。
が、教科書の材料をみると、細かく「キャベツ1人分…50g」等、書かれており、「いやいや、キャベツ全員分でどのくらいよ!」とますますわからなくなってきます。ここでは、5年生の「ゆで野菜サラダ(8班編成)」を例に説明します。
1.まずは班の数を確認し、ざっくりどのくらいの量(個数)を購入したらよいかを目星をつける
たしかに、教科書通りに作ったら、1人分×人数分必要になるわけですが、あくまで調理実習は調理方法を学ぶ時間であり、1食分をきちんと作る時間ではありません。ましてや、給食直前や直後の実習では、満量食べるのが難しいということもあります。
例:班が8班あるから、分けやすいようにキャベツを1つ買って、8等分して各班に分けよう!
にんじんは、2班で2分の1本ずつかな。
(一人分の量ではなく、班の人数分の量で計画書に記入してもらおう)
2.ざっくり見積もった材料の量で1クラス(1学年で)どのくらい必要か計算
だいたい1班分の配布量が決まれば、それに合わせた1クラス分、1学年分が計算できます。
例:キャベツは8等分するから1つ。にんじんは、2分の1ずつ配布するから4本、ブロッコリーは、4分の1ずつで2房にしよう!
という感じです。また、量が足りなそうなものや、割れてしまいそうな可能性のある卵などは多めに見積もっておくとよいでしょう。
3.この材料を調達
調達の方法はいくつかありますが、可能であれば、学校へ配達してくださる八百屋さん等に、前日の午後に配達していただけるととてもスムーズです。学校給食などで御贔屓にしている八百屋さんなどを教えてもらといいでしょう。もしくは、まとめてスーパーで調達してきます。
前日の午後が良いというのも、調理実習の前日であれば、届いた材料を見て、野菜の大きさが小さければ買い足したり、班ごとに材料を分けておくことができるからです。
調理台に置くものセットを用意しておく
調理実習の中で、最もスムーズに進めるための方法は、子どもたちの動線を少なくすることです。
クラスの人数にもよりますが、子どもたちが「お玉はどこだ!」「鍋はどこだ!」と探し回り、ぐるぐると実習しつを動き回ると、刃物を扱っていたり、火器を扱っていたりする中で、とても効率も悪く、危険も高まります。
そこで、「調理台道具セット」をあらかじめ班ごとに置いておくことをお勧めします。
各班に1つずつかごを用意して、そのかごの中に「おたま、さいばし、ざる、鍋・・・」と実習で使う調理道具(包丁まな板以外)を必要分だけ置いておきます。
子どもたちには、「今日はあらかじめ、〇点セットを用意しました!」「実習中はこの道具だけを使うので、自分たちで取りに行くことがないように。」「また、使い終わったら、次のクラスもこの道具を使うので、よく洗って、調理台に用意されたかごに戻しておきましょう」と声掛けします。
包丁とまな板だけは、安全面や滅菌庫での消毒もあるので、実習が始まってから代表に取りに来てもらいます。
材料を班ごとに分ける
調達した材料は、前日もしくは、当日の授業前までには、班ごとに切り分けて置き、ポリ袋等に入れて準備すると良いでしょう。
係がいれば、一緒に手伝ってもらうとなおスムーズです。
調味料の扱いを決めておく
実習中に使う調味料は、あらかじめ「班ごとに1つずつ配る」のか、「全体で1つのものを分けて使う」のかをイメージします。
油などは、班に1本ずつあっても使い切ることはなく、余ってしまうでしょう。
この時に、各班で回しながら使うと、使うタイミングがかぶってしまったり、どの班に回っているのかがわからない!行方不明!!!ということが起きてしまいます。
ここでおすすめなのが、教師用の調理台にすくいやすいカップで1つ用意しておき、班ごとにフライパンと大さじスプーンを持ってきて、教師の目の前で測って入れ、班に戻るというスタイルです。
塩コショウなどは、「教卓から持っていったら、すぐに教卓に返す」ということを徹底しておくと良いでしょう。
調理工程(レシピ)は調理台に1枚ずつ。黒板に拡大を。電子黒板は時刻を!
調理工程が書かれたレシピは、子どもたちが全員教科書を出して調理台いっぱいに広げると、調理もしにくくなりますし、調理中に濡れたり汚れたりします。
あらかじめ、こちらで分かりやすくレシピをまとめたものや、イラストや切り方の写真などが入っているようなものを用意し、ラミネート加工したり、透明ファイルに入れて調理台に1つ用意し、班全員が確認できるようにします。
また、手元のレシピを全然読まない子や、一工程ずつ「先生、次は何するの??」と聞いてくる子もたくさんいます。大きく拡大コピーしたレシピには、ポイントに色を付けたり、必要なことを書き足して黒板に貼り出しておくと、安心して実習に臨めます。
電子黒板にレシピを映し出すのも良いですが、大きく時刻が見えるようにしておいてあげると、焼き時間や湯で時間をそれぞれが測りながら調理する際に便利です。
その他、必要な準備
そのほか必要な準備として、
〇三角コーナーの水切りネット
〇食器洗い用スポンジと洗剤の残量
〇ガスの元栓の場所確認と、コンロの火が付くか確認
〇滅菌庫(包丁庫)のカギの確認
〇台ふき教師用・貸し出し用
〇撮影用カメラ
などの準備をしておくと安心です。
いざ、調理実習START!
実習の最初に
- 全員の体調確認、持ち物確認、手洗いなどの基本的な事項を確認します。
- 調理工程の中での外せないポイントなどは、もう一度確認する!レシピは、事前に確認してあっても、彼らの頭からは完全にすっぽり抜けていると思って向き合っておかしくありません。笑
- 調理室の決まりを確認する。あらかじめ用意した「調理道具セット」や、「ラミネートレシピ」、「班ごとに分けた材料」、「危険なポイント」など確認しましょう。
実習中の動き
実習中は、
最初→調味料を配ったり、包丁まな板を配ったりして、流れに乗るまでサポートする
中盤→名簿をもって各班を回り、班でリーダーシップを発揮している子や、技術に長けている子、逆に レシピを無視していたり、はちゃめちゃな子(笑)をチェックしていきます。
終盤→手が空いている人は、調理台を整えたり、洗えるものから洗うように声掛け
実食→班ごとに完成スピードが違うので、班ごとに「いただきます」をして、写真を1枚撮影後に実食
どの班も実食が始まったら、片付けなどの流れを説明
実習の終わり方
実習の片付けや、チェックポイントは、実習の最初に話しても頭に入らないので、実食中などのひと段落ついたところで声掛けしてあげると良いでしょう。
≪片付けポイント≫
- 食器等を洗う人と拭き上げる人に分かれて作業
- 「調理台道具セット」は調理台のかごの中に入れる
- ガス台の汚れ・元栓チェック
- 三角コーナーや排水溝のごみは、カビの原因になるのでゴミ箱に捨ててきれいにし、新しいネットをつける
- 調理台用のラミネートレシピはそのまま
- イスはきちんと片づける
このようなポイントを説明し、「片付けができた班から先生を呼びましょう」と声掛けします。
声がかかった班の調理台を点検し、合格なら教室に戻って反省感想を書く等の指示を出して終わりにします。
実習終了後
ごみの片付け
調理実習では多くのごみが出ますので、その日のうちに片付けをすることをお勧めします。
消耗品のチェック
洗剤やスポンジ、水切りネット等も確認し、残り少なければ補充しておくと、次の実習の際に自分もほかの先生も助かります。
元栓・滅菌庫の確認
ガスの大元の元栓をしっかりと閉めます。
また、包丁まな板の滅菌をスタートし、施錠をします。
洗濯機があれば、洗濯まで!
家庭科室には、だいたい洗濯機も置いてあるでしょう。
貸し出ししたふきんや、自身が使ったエプロン三角巾等、その場で洗濯を回し、放課後にでも干しておくと、次の実習の際に自身を褒めたくなります。
実習プリントの評価や、写真整理
実際に実習をしての反省感想から、子どもたちそれぞれの評価をしておきます。
また、写真については難しい時代になってきましたが、担任がなかなかシャッターチャンスがない日常の授業風景ですので、是非撮影して、パソコンに入れてあげると喜んでもらえます。
最後に
今回は、なかなか教えてもらえない「調理実習のいろは」を書いてみました。
大人数を相手に、調理実習を時間内で終わらせることは、入念な準備が必要となりますが、これが時間内に終わらせられる気持ちよさは格別です。笑
ぜひ、子どもたちが大好きな調理実習を、一緒に楽しんで迎えるための参考にしていただけたら幸いです。
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